女子サッカーのプレナスなでしこリーグの2部に相当するチャレンジリーグに所属し、東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市の常盤木学園高が15日、震災後初めて地元の宮城県内で試合を行い、福島第1原発事故の影響で活動拠点を静岡県御殿場市に一時移しているJFAアカデミー福島と対戦した。

 両チームの選手は試合前、大きな一つの円をつくり黙とう。ホイッスルが鳴ると青空の下、宮城県サッカー場のピッチを元気よく駆け回った。試合は4-1で常盤木学園高が快勝。ゴールを決めたU-19(19歳以下)日本女子代表の京川舞選手(17)は「被災しても応援に来てくれた人がいる。声援がすごく力になった。勝ててよかった」と笑顔を見せた。

 常盤木学園高は震災で練習場の照明が破損するなどの被害を受け、選手も山梨県に一時避難した。3月下旬に仙台に戻り、ようやく実現した地元での試合に、阿部由晴監督は「みんなが元気にやっていることをアピールできたのでは」と満足そうだった。

 一方、敗れたJFAアカデミー福島の沖山雅彦監督は「状況が許せば、私たちも地元の人に元気な姿を見せたい」と福島県での試合開催を熱望した。