<J1:甲府3-1名古屋>◇第11節◇15日◇中銀スタ

 昨季のリーグ王者名古屋が、昇格組の甲府に「金星」を配給した。もっとも、内容は甲府の完勝。「金星」と表現するのがおこがましいような、名古屋の弱さが目立った。

 けが人続出の苦境でDF田中マルクス闘莉王(30)ら主力が欠場。そんな中で、最終ラインをになうDF増川隆洋(31)も後半25分に左足を痛めて負傷交代。ベンチにセンターバック(CB)の控え、DF新井辰也(23)はいたが、ドラガン・ストイコビッチ監督(46)はリーグ出場経験のない若手の起用をためらい、中盤の選手を投入。代役として、中盤を仕切る長身のコロンビア人ボランチMFダニルソン(24)をCBに下げたが、このほころびから2失点して敗れた。

 ダニルソンにしても、この試合が右足甲の骨折から約半年ぶりの復帰戦。実戦調整ゼロのまま、ぶっつけ本番で投入されたばかりだから荷が重い。だが、そうせざるを得ない“台所事情”。同監督は「次はだれがケガをするのか、それは私にも分からない。だれもいないこと、そして早く故障者が戻ってくるのを祈るばかりだ」と嘆いた。