U―23(23歳以下)日本代表候補の大分DF森重真人(20)が、攻守で代表定着へのライバルとの「ガチンコ対決」を制し、チームにJ1昇格6年目で初の開幕戦勝利をもたらす。今日8日、アウェー(日本平)で対戦するのが、同代表の主力DF青山直を擁する清水だ。「アメリカ遠征では部屋が一緒だった。開幕戦でお互い頑張ろうと話していた。負けたくないですね」。同じポジションのライバルに対抗心を燃やした。

 昨年の北京五輪最終予選ベトナム戦(国立)で決勝ゴールを決めるなど、北京世代での実績が十分な青山直だが、森重も負けていない。北京世代に初招集された米国遠征では、セットプレーから得意のヘディングで初ゴールを記録。昨季途中に、MFからDFに本格的に転向させた大分シャムスカ監督が買う「攻撃の高さ」を、タイプが似ているレギュラーの青山直と代表スタッフに見せつけた。

 昨年急成長を遂げた森重にとって、プロ3年目で初の開幕スタメンだ。MF家長、高橋が離脱し、まだかみ合わない攻撃陣に対し、シャムスカ監督は森重、深谷、上本が並ぶDFラインに「不安はない」と信頼を寄せている。この日、チームは静岡市内で約1時間、清水戦に向けた最終調整を行った。「(代表合宿も経験し)昨年以上のものが見せられると思う。しっかり無失点で守ることもそうだけど、1点を取りたいですね」。ライバルも得意とするセットプレーからのゴールと無失点を力強く誓った20歳のDFが、J1大分初の開幕戦勝利の原動力となる。【村田義治】