<J1:鹿島4-0札幌>◇第1節◇8日◇カシマ

 引きずってる場合じゃない。次は死ぬ気でやれ!

 コンサドーレ札幌OBの大森健作氏(32=日刊スポーツ評論家)が、後輩たちに強烈なゲキを送った。8日の開幕鹿島戦を観戦し、完敗という結果に、昨季王者との力量差を痛感した。苦しいスタートとなったが、巻き返しにはあらためてチーム一丸となることを強調。15日のホーム横浜戦を、汚名返上の舞台にすべく取り組んでほしいと、強く訴えた。

 してはいけない場面で失点したことがすべてだった。佐藤くんがPKを止めて、普通はあそこで流れがくるはず。ただその直後にセットプレーで先制された。あの時間にやられるのは最もよくない。あの1点からラインがずるずる下がり、鹿島に完全にペースを握られたことが、4失点につながってしまった。

 前半は理想的な形ができていた。FWの2人がプレッシャーをかけ、DFも高い位置でラインを保っていた。試合への入り方もよく、うまく守っていた。これはいけるかもしれないと思わせてくれたが、後半の早い時間にやられては、チャンスを見いだすのは難しくなる。

 攻撃ではダビの個人技がJ1でも十分通用するのは分かった。ただボールをほしがるあまり、中盤まで下がる場面がみられた。何とかしたいという気持ちは分かるが、全体のバランスを崩しては意味がない。ただ頑張れるし個人技もあるクライトンとともに、2人がかみ合ってくれば、得点も生まれてくるのではというのは感じた。

 確かに開幕戦で0-4という結果はいただけない。ただそれをマイナスに考えては進んでいけない。次の試合はすぐにくる。逃げるわけにはいかないんだから。横浜戦は札幌での試合、たくさんの人が応援にきてくれる。この悔しさを晴らせる「チャンスが来るんだ」くらいに思って戦ってほしい。

 そのためにはまず自分たちで考えること。何がダメだったのか、この負けではっきり分かったと思う。まずは選手で集まって、話し合ってほしい。監督に呼ばれてじゃなく、やるのは自分たちなんだから、まずみんなで考えること。1戦だけで今季が決まるわけじゃない。見つかった課題に、死ぬ気でぶつかっていってほしい。