ダビが窮地を救う。コンサドーレ札幌は11日、15日のホーム開幕横浜戦に向け、札幌・宮の沢で調整した。8日の開幕鹿島戦に続き、FWノナトとDF曽田の攻守の要は欠場する見込み。過去、優勝や残留などを果たした年は、本拠地開幕戦で結果を残してきた。目標のJ1残留を果たすために負けられない戦いへ、10日に24歳の誕生日を迎えたFWダビが、苦しいチーム状況を乗り越えての今季初勝利を宣言した。

 本拠地開幕戦の大切さを、ダビはよく分かっていた。鹿島戦大敗のショックを一掃したい横浜戦へ向け「まだ始まったばかりだが、次が大事な戦い。いい結果を残せるよう、やるだけ」と意を強くした。

 6年ぶりJ1の開幕2戦目。果たしてどこまで戦えるか占う意味でも、開幕戦のような負けを繰り返すわけにはいかない。データ的にも負けられない。96年の創設から本拠地開幕戦は6勝1分け5敗。JFL優勝の97年、2度目のJ1昇格を決めた00年、残留した01年、そしてJ2優勝した昨年と、節目は必ず白星を挙げてきた。対照的にJ2に降格した02年から06年までは勝ち星なしと、結果と比例してきている。目標のJ1残留へ、勝ち点3が欲しい一戦になる。

 チーム状態は芳しくない。三浦監督が「キャンプから弱いと思っていたところが、やっぱり鹿島戦でも出た」と振り返るよう、セットプレーで先制を許した。中沢らを擁し、高さに自信を持つ相手に、チーム一の高さを誇る曽田を今回も欠く。2トップの一角を担うノナトも欠場が濃厚。苦しい状況だからこそ、1月21日のグアム合宿からケガと無縁で好調を保っているダビに、期待がかかる。

 鹿島戦でも存在感を示した。ダビ自身「差は感じなかった」と話すよう、個人技も速さも見劣ることはなかった。三浦監督も「ダビはあれくらいはできる。J1で通用する力がある」と評価する攻撃の核が結果を残すことが、勝利への近道になる。「勝つことだけ考える」。ゴール宣言こそ出なかったが、そのために何をすべきかは、よく分かっている。

 横浜にはナビスコ杯で勝ったことはあるが、リーグ戦で勝利はない。しかし札幌ドームでは1分けと1延長Vゴール負けと、いずれも接戦を演じてきた。難敵撃破の今季初勝利で、勢いを呼び戻す。【砂田秀人】