<J1:名古屋2―1大分>◇第3節◇30日◇瑞穂陸

 若き司令塔、MF金崎夢生(19)の同点弾も、冷たい雨に消えた。初の開幕3連勝を狙った大分が、ここ2年負けていなかった瑞穂陸上競技場で名古屋に1―2で敗退。結果的に見れば1点差の惜敗だが「間違いなく前半はよくなかった。気持ちの問題。チーム全体で(勝つ)雰囲気づくりができなかった」とMF鈴木副主将。それだけに悔いの残る今季初黒星だった。

 立ち上がりから精彩を欠いた。試合前に首位鹿島が勝ったため、今節でのクラブ初の首位浮上の可能性が消滅した影響が、どこか心のスキを生んでいたのだろうか。試合開始3分、警戒していたはずのサイド攻撃からいきなり失点。「入り方が悪かった。プレスをかけられず、セカンドボールも拾えず間延びしていた」とDF深谷。その後もクリアミス、パスミスを続ける選手に、溝畑社長も「前半で0―4になってもおかしくない展開だった」と嘆くほどの悪い内容だった。

 そんな重い雰囲気の中、フェースガードを外した金崎が気を吐いた。1点を追う前半39分。「自分たちの形が出せずに先制され、チームの雰囲気は良くなかった。とにかくシュートを打つのが大事だと思った」と、MF藤田の右サイドからのクロスをダイレクトでとらえネットを揺らした。

 後半に勝ち越しを許し、勝利にはつながらなかったが、一方的になりかけた試合を競り合いに持ち込むリーグ戦2試合連続弾は、クラブJ1通算200ゴールだった。「3連勝を目標にやってきたが、この失点、この負けを次の試合に生かさないといけない」と金崎。内容が悪くとも、昨年のようにズルズルと大敗は喫しない。同じ1敗でも、今季の成長ぶりは垣間見せてくれた敗戦だった。【村田義治】

 大分シャムスカ監督(1―2の敗戦に)「最後まであきらめず、頑張りと気迫を見せた。引き分けでもおかしくない(内容)と思う」

 大分FW市原(今季初出場で後半41分にゴール前でパスを受けるが不発)「DFが集まってきて、ボールが見えなかった。シュートが打てずに悔しかった」

 大分FW松橋(後半22分から出場もゴール割れず)「雨だからもっと簡単にいかないと、難しく考えすぎたのかも。決めたかった」