オレのゴールで、今季チーム初のマルチ得点試合をサポーターに見せる-。J2仙台MF西山貴永(22)が11日、12日のホーム徳島戦で、チームの「2点目」を狙っていることを明かした。前節横浜FC戦に続き西山には、途中出場で流れを変える動きが期待される。ここまでの開幕6試合で、複数得点試合のないベガルタ。チームに充満し始めた重い空気を、自らの移籍初ゴールで振り払う。

 「選手がナーバスになっている」と手倉森監督が頭を抱える「追加点欠乏症」の打開に、西山が名乗りを上げた。ここまで1試合もないチーム複数得点を「なにげに狙っています」とニヤリ。この日のミニゲームで2点を挙げたことが、自信を増幅させた。チームに漂う重苦しい空気を、根っからのムードメーカーがリーグ戦初得点で振り払う。

 1-1のドローに終わった前節横浜FC戦。わずか7分間の出場だったが、西山は3本のシュートを枠内に放った。自慢のスピードも披露し、先発ツートップの中島、中原とは違うキラリと光るものを見せた。だがゴールできなかったことを悔いている。「チャンスはもらっている…。点を決めたい」と、初見参のユアスタでの大暴れを誓った。

 途中出場が濃厚の西山は「自分が出る時は、勝っている状況ならありがたい」と願った。リードしている状況で、さらに「複数得点目」となる追加点が取れれば言うことない。西山の狙いを聞いた中島、中原は口をそろえて「点を狙っていきます」と“逆アシスト”宣言。待望の追加点が、ムードメーカーの西山から生まれれば、チームの勢いは確実に加速する。そのためにも「忍者」が自由に動き回れる状況を、早い時間帯につくる必要がある。【山崎安昭】