<J2:山形1-0横浜FC>◇第7節◇12日◇NDスタ

 J2山形が20歳2トップの活躍で今季ホーム初白星を挙げた。後半3分、FW長谷川悠のシュートのこぼれ球を、FW坂井将吾が押し込みJリーグ初得点。これが決勝点となり、開幕から無傷の横浜FCに初黒星を付けた。

 頼もしい「新成人2トップ」だ。後半3分、MF北村の右クロスに長谷川が頭から飛び込む。こぼれ球に坂井が反応し、左足で押し込んだ。2人でサポーター席の前へ駆け寄り、固く抱き合った。先発2トップの豊田が右足骨折、リチェーリが累積警告で今季初めてそろって欠場。控え組で一緒に練習してきた同期2人が、チームのピンチを救った。

 今季初のベンチ入りで、いきなりJ初ゴールを決めた坂井が、声を弾ませた。「昨年までは期待に応えられなかったけど、キャンプからいい準備をしてきて結果が出て良かった」。プロ2年目の昨季は15試合に出場したが無得点。今季は、現役時代FWだった小林監督の指導で技術を磨いた。「ボールの受け方とか、シュートの時はゴールを見るとか、細かく教えてもらった」。忍耐強く続けた居残り練習が実った。

 今季、山形入りした長谷川の存在も坂井のモチベーション維持につながった。実戦練習ではシュート数を競い合う仲だけに「同い年でポジションも同じだから、どこかで意識している。今日のゴールは長谷川が挙げたようなものだから今晩、何かごちそうします」と笑顔の坂井。長谷川も「メニューは任せますけど、焼き肉ですかね」と楽しみにしていた。

 小林監督は「後半は長谷川をゴール前で待たせるようにしたら、2人の動きが良くなった。これからFWは、リチェーリと3人で競争させます」と若手の台頭を喜んだ。山形県ではこの日、桜の開花宣言が出された。「小林モンテ」もホーム初白星という大輪の花を咲かせた。【柴田寛人】