<J1:大宮3-2G大阪>◇第9節◇30日◇万博

 G大阪が約1年7カ月ぶりの2連敗で10位に転落した。大宮戦で2度リードしながら残り6分で2失点し、2-3で悪夢の逆転負け。ACLとの過密日程から主力の疲労がピークに達し、西野朗監督(53)の采配も後手を踏んだ。3年ぶりのリーグV奪還へ、06年10月以来の連敗を喫したG大阪が早くもがけっぷちに立たされた。神戸は終了間際に追いつかれ、2-2で鹿島と引き分けた。G大阪、鹿島のACL勢は4戦未勝利のスランプに陥った。

 放心状態のG大阪にスタンドから痛烈な罵声(ばせい)が飛んだ。逃げ切りのシナリオは終盤で暗転した。後半ロスタイムに悪夢のような決勝点をねじ込まれた。一度は勝ち越し点となるヘッドを決めたDF中沢は「勝ちきれる雰囲気だったのに、信じられない」と悔し泣き。遠藤はロッカー前であおむけのまま起き上がれない。「これでは厳しい戦いを勝ち上がれない」と西野監督は言った。

 リーグ戦以外にACLで既に4試合を戦った疲労から、終盤は足が止まった。交代選手2人が得点した大宮と対照的に、西野監督の采配も後手を踏んだ。残り6分で追いつかれた後、右足首ねんざから復帰のFW播戸を投入したが、逆に失点した。疲れの色濃い遠藤と前日に面談したが、先発で起用。「体調を考慮してメンバーを組む」と話していた指揮官が結局、同じ顔ぶれに頼ってしまう。控え組が信頼を勝ち取れず、過密日程を勝ち抜くチームになっていない。

 右太もも打撲でDF加地が今季初先発。ベスト布陣で臨みながら、ダメ押し点が奪えず、守りきれず、勝てない三重苦。06年10月7日磐田戦以来の2連敗で4試合白星なし。G大阪がピンチを迎えた。【北村泰彦】