視界良好だ!

 11日に敵地で甲府を下したサンフレッチェ広島は12日、地元で軽い調整に専念した。ペトロビッチ監督(50)体制5戦目にして甲府を初攻略。新加入DF結城耕造(29)も機能した。また、広島ユース出身のMF岡本知剛(17)とプロ契約を結んだ。負傷者も着実に復帰している。首位独走にもJ1昇格への手綱は緩まない。15日はホームで9位福岡と対戦だ。完全体のサンフレが、第2クールも突っ走る。

 J1昇格への道が、明確に浮かび上がった。ペトロビッチ体制で3敗1分けの甲府を、オウンゴールとFW佐藤寿のヘッドで2-0の快勝。今季初黒星を喫した4月20日の同カードから52日。球際の強さ、リスタートの速さ、DFストヤノフへの徹底マークにより逆転負けした前回の教訓を、しっかりと生かす見事なリベンジだった。

 チームは着実に成長している。「今まで内容は良かったが結果が伴わなかった」(ペトロビッチ監督)相手を攻略。終了間際にダメ押し弾を決めた主将の佐藤寿は「勝利にこだわる戦い方も身についた」と振り返った。昇格ライバルには結果重視で、時には内容重視で勝ち点を重ねる“真の強さ”を身につけた。

 盤石の備えだ。敵地から戻ったチームはこの日、地元で軽い調整に専念した。甲府戦では新加入DF結城がフル出場で、負傷明けのMF柏木も途中出場で勝利に貢献した。負傷DF盛田の復帰も秒読み段階だ。守備を統率する槙野は「今は誰が出ても機能している」と手応えを明かした。

 そして逸材の入団。この日入団会見に臨んだ岡本は各年代の代表を経験するなど素質十分だ。本職はボランチだが「中盤ならどこでもやる」(岡本)。若手の台頭がチームの活性化につながっている。

 苦手克服、負傷者復帰、頼れる新加入…。6連勝で首位独走のサンフレが完全体に近づいた。【佐藤貴洋】