<J1:東京2-1札幌>◇第27節◇28日◇札幌厚別

 ダビがいれば…。コンサドーレ札幌がホームで東京に1-2の逆転負けを喫し、J1でのクラブワーストを更新する11試合連続未勝利を喫した。後半9分、DF池内友彦(30)が先制点を挙げたが、後半ラスト20分で2失点。カタールリーグのアルサードと交渉中のFWダビ(24)不在が響き、再三の決定機を生かせなかった。三上大勝強化部長(37)は年内に「第2のダビ」探しへ南米、アジアに渡ることを決断。来季の出直しへ向け、決定力あるエースの発掘に乗り出す。

 エース不在が最後まで響いた。前半16分、ダビの代わりにFWに入った砂川がMF西からのパスにダイレクトで左足を振り抜いた。ゴール前フリーにもかかわらず、ボールはゴールのはるか上へ。決定機を逃し続けていくうちに勝ち星は逃げていった。後半9分に先制点を挙げたが、後半ラスト20分であっさり2失点。三浦監督は「残念ながら少ないチャンスを決められた。原因は力がなかった」と決定力の差を敗因に挙げるしかなかった。

 ダビショックは隠せなかった。12得点を稼ぐエースはカタールリーグのアルサードと交渉中のため不在。個人技に頼ることはできず、西や西谷らのパスで打開策を図ったが、それも限界があった。MFクライトンは「攻撃の形はつくれたが、点を取れなかった。ダビがいれば、というのもある。残念ながらいない」と声を振り絞った。今季のダビ不在のチーム成績は8試合全敗。残りは7試合、札幌のJ1残留のハードルは、さらに高くなった。

 強化部はポスト・ダビとなる新FW探しに本腰を入れる。三上強化部長が年内にも南米に渡る予定。ダビを獲得した昨季は、移籍金を含めて500万円前後の予算で人選した。だが、今回はダビの移籍金などもあり、1500万円前後に設定することになりそうだ。来季から導入されるアジア枠を活用するため、アジア行きも視野に入れている。

 来季J2に降格した場合でも、外国人中心のチームになる。アジア枠を含めて4人体制になることが有力だ。三上強化部長は「J1に残っても、J2になったときも、日本人は高いレベルの中でやることが必要」と言う。力のある外国人と競わせることによる日本人のレベル向上が狙いだ。来季に向け、戦力再構築はすでに始まっている。【長島一浩】