J1清水の期待の新加入ストライカーが“ほろ苦始動”に照れ笑いした。午前中の走り込みの後、午後の練習でボール回しをしている時だった。浦和から移籍後初日のFW永井雄一郎(29)が、右太もも裏を押さえて足を止めた。「つりましたね。初日なんで最後までやりたかったけど…」。再合流しようとしたが、長谷川監督に止められ、そのままクラブハウスに引き揚げた。

 午前中の1000メートル×5本のインターバル走の際には、浜松大陸上部監督も兼任する杉本フィジカルコーチから「足のつき方、バランスが悪い」とランニングフォームの指摘を受けた。設定タイム(3分52秒)をクリアしながらも永井は「今の走り方だと負担がくる個所が出てくる。話を聞いて自分にプラスにしていきたい」と走法改善に意欲を見せていた。しかし、その直後の痛いリタイアに「みんなよく走るよ」と苦笑いするしかなかった。

 初日から約3時間半のハードメニューだったが「新鮮な気持ちで練習できた。慣れない部分もあるけど、楽しかった」と前向きに話した。長谷川監督は「(シーズンの)入り方は、各チームそれぞれ違う。慣れるまで様子を見ながら…」と傷心の?

 永井を気遣ったが「(メニューは)まだ全然、軽いでしょ」といたずらっぽく笑った。イレブンが「恐怖」とまで言う、清水のフィジカルメニュー。永井が今季「ミスターエスパルス」を襲名するためには、この試練を乗り越えるしかない!?

 【為田聡史】