J2からの脱出へ「CHANGE」-。7シーズンぶりのJ1昇格を目指すJ2仙台が27日、鹿児島県さつま町でキャンプインした。例年は宮崎県延岡市で合宿をスタートするが、今年はその前に体力づくり目的の第1次キャンプを実施。手倉森誠監督(41)は「勝ち切るために何かを変えなきゃと思って鹿児島に来た」と話し、キャンプ初日ながら初体験の練習場でミニゲームも敢行。昇格を逃し続けるチームに、変化と刺激を吹き込んだ。

 初日とは思えない激しさだった。仙台から約5時間かけて鹿児島入りしたイレブンは、ホテル到着の1時間後、ジャージーに着替えてグラウンドを疾走していた。午後4時から1時間45分かけてトレーニング。キャンプ初日としては、04年以来となるゲーム形式の練習を行っても、手倉森監督は「各自が体をつくってきて、ボール感覚に飢えていた」と当然の顔だ。

 悲願のJ1復帰へ、例年と同じ姿勢では目標に届かない-。指揮官の判断だった。「メンタルの変化を期待して」(同監督)練習場をチェンジ。延岡と違ってグラウンドが宿泊先の目の前にあるため、帰りのバス時間を気にすることなく練習できる。この日も10人以上が居残りで汗を流した。調整用の温水プールも貸し切りで用意された。

 練習場以外にも変化は多い。この日からチームは練習着を新調し、トレーニングもメディシンボール、バランスボールを使った腕立て、腹筋、スクワットのサーキットを初めて実施。仕上げに異例のミニゲームも行った。新加入の外国人選手は、チームに陽気な雰囲気をもたらした。

 「これだけやった、という自信がつけば『負けたくない』から『勝たなければ』という気持ちに変わるはず」。2年目のキャンプについて手倉森監督は、精神面の成長に期待した。米バラク・オバマ大統領の「Yes

 We

 Can」の精神がチームに植え付けられれば、おのずと目標は近づいてくる。【木下淳】