<練習試合:山形1-0熊本>◇11日◇長崎・島原市営陸上競技場

 ブラジル人新助っ人のプレースキックで、モンテディオの攻撃の幅が広がる。J1山形はJ2熊本、JFL長崎と練習試合を行い、それぞれ1-0、1-2。主力組で初めて出場したMFアンドレ・シルバ(28)が、熊本戦で正確なプレースキックを披露。精密機械を思わせる右足のキックに、小林監督も満足顔だ。

 前半33分、左45度、約25メートルの位置から、アンドレ・シルバがFKを放つ。壁を超え、ゴール左上へ向かったボールは惜しくもGKにはじき出された。来日後、1度もFK練習をしていないため「まぐれ」と報道陣が決め込んだが、違った。後半44分、同角度の距離約20メートルから再度FK。小林監督が「入ったと思った」という球足の速いボールは、惜しくもバーに嫌われた。「ブラジル人ならあれくらい蹴れる」と、助っ人は淡々と振り返った。

 守備専任と思われた新助っ人の意外な攻撃センスに、小林監督は「FKを蹴れる人が多くて楽しみ」と笑顔。主にキッカー役を務めてきた左利きのDF石川のほかに、右のキッカー候補が増えたことは、攻撃バリエーションの増加が見込める。「機会があれば、蹴るよ」とアンドレ・シルバ。スタミナだけがアピールポイントではないことを見せた。【山崎安昭】