左ひざ前十字靱帯(じんたい)損傷及び半月板損傷の重傷から復活を目指す鹿島MF小笠原満男(29)が18日、3月7日のリーグ開幕戦の浦和戦(カシマスタジアム)での復帰を熱望した。茨城県鹿嶋市内で行われた練習後、来週から対人プレーの練習に加わり、開幕戦の出場を目指したいと打ち明けた。昨年9月20日の柏戦で重傷を負い、10月10日に手術を受けてから約4カ月。日本代表戦出場53試合の頼れる主将が、急ピッチで体を仕上げようとしている。

 あふれ出る意気込みを隠すことはできなかった。小笠原は練習後、「最終的には(フィジカルコーチの)石井さんやドクターの判断になりますけど、来週から対人プレーに入って、開幕に向けてやっていきたい」と、開幕の浦和戦での復帰を志願した。

 昨年10月10日の手術で、体の一部の靱帯(じんたい)を患部に移植。手術から5カ月後の実戦復帰を予定され開幕は絶望とみられていたが、年末年始の休みを返上してリハビリを敢行。2月上旬の宮崎合宿で全体練習に部分合流するまで回復し「復帰への手応え?

 ありました。自分はできると思っていたので。やれと言われれば、21日の(プレシーズンマッチの)水戸戦もできます」と言い切った。

 対人プレーの練習への合流や、試合出場の可否はチームドクターなどの判断が必要不可欠。クラブ幹部も「慌てて復帰して再発するより、序盤は休んでも、その後しっかりやれた方がいい」と話し、手術から5カ月が経過する3月10日ごろまでは慎重な調整を支持する声もある。それでも、小笠原は「自分の状態は自分しか分からない部分がある。やってみて痛ければやらないし、やらないと分からない」と意欲むき出しだ。

 「サッカー小僧」を地でいく男だけに、ピッチ上でプレーすることへの熱意は人一倍。苦しいリハビリも弱音を吐かずに乗り越えた。リーグ3連覇、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)制覇がかかる今季の鹿島にとって、主将も務める小笠原の早期復帰は大きい。「仮に戻ったとしてもポジションがあるわけでもないし、競争だと思う。調子?

 ずっと良いですよ」。開幕に向け、鹿島の大黒柱が戦闘態勢に入ってきた。【菅家大輔】