J1磐田のMF西紀寛(29)が、リーグ通算200試合目から「憎まれ役」になる!?

 ここまで199試合出場の西は、次節大分戦(12日、ヤマハ)で、磐田生え抜きの選手としては、史上8人目の大記録に到達する。9日の練習では、主力組の右MFでプレー。これまでのチームの黄金時代の主力7人とは対照的に、ここ数年の低迷を身をもって体験してきただけに「ダメな時に自分たちで変えていく力をつけていかないと、去年の二の舞いになる。おれが言わなきゃダメ。言う選手がいない」と、あえて毒舌連発の「嫌われ者」になる覚悟を口にした。

 前節広島戦(5日)直後、誰よりも強く警鐘を鳴らせた。前半先制したが、終盤は猛攻を食らいながら、1点を死守しての完封勝利に「1-0の完敗」と独特の言い回しで表現。誰もが言いづらいことを言葉にした。そんな姿を柳下監督も「去年は自分のための声だったが、今年はチームのための声を出している」と期待を込めて見守る。

 偉大な先輩たちの背中を追いかけてここまで来た。「100試合まではすぐだったけど、そこから結構長かったね」。Jデビューから5年目で100試合達成も、最近ではケガなどで、5年連続で年間出場は20試合未満。だが、今季はすでに14戦に先発出場している。「今のオレは、プレーの波を減らすことが大事」。向上心は若手時代と変わらない。記録達成を機に、プレーでも「舌」でもベテランの妙技を出していく。【栗田成芳】