<J2:札幌1-0岡山>◇第41節◇23日◇岡山

 コンサドーレ札幌が岡山に1-0で勝利した。前半31分にMF藤田征也(22)が先制ゴール。後半押し込まれながらもDF陣が踏ん張り、前節福岡戦に続き今季初の2戦連続完封勝利となった。リーグ終盤に入りクラブでは来季戦力構想にも着手。大きな外国人入れ替えは行わずMFダニルソン(23)FWキリノ(24)DF趙晟桓(27)の3選手を柱にして強化を継続し、MFハファエル(24)は資金的な問題で構想からは外れ、契約を延長しない方針だ。

 札幌の目指すべき形が見えてきた。前節に続き、最少得点を守り抜いての連続完封勝利。後半は押し込まれたものの石崎監督は「集中して試合に入れていた」と及第点を与えた。前半31分にMF藤田のゴールで先制。序盤はMF上里、古田、宮沢と1トップのキリノがうまく絡み合い、岡山をほんろうしゲームを完全に支配した。終盤は岡山のペースとなったが、動揺はなかった。残り30分で追いつかれる癖もなくなり、チームとして成長したことを証明した。

 上里は「やろうとしているサッカーを全員で意識できるようになった」と言う。始動当初は石崎監督が選手の特長を把握しきれず、試行錯誤の連続だった。開幕時はクライトンを生かすための4-4-1-1だったが、現在はダニルソンの1ボランチを生かす4-1-4-1へ移行。この日は芳賀が代役として入ったが、それでも無難にこなし、戦術も固まってきた。

 クラブでは来季構想として既にダニルソンを軸に、キリノ、趙の3人をセンターラインの柱として残し、継続して強化していく方針を固めている。石崎監督に続投要請することは今季開幕時からの既定路線で、この3選手に若手日本人選手を絡め、チームづくりを行う方向だ。

 だが、ハファエルに関しては半年で1000万円を超す年俸がネック。クラブ幹部は「半期の契約なら可能だが1年を通しては厳しい」と明かしており、契約延長は厳しい状況だ。現在のように切り札的起用の選手に、高額年俸を払い続けられるほど、札幌の資金力は潤沢ではない。

 ここ10戦7勝2分け1敗と結果も出し、徐々に来季の絵が見え始めてきた。「今回の1-0は、福岡戦と内容が違う。内容が悪くても結果を出せたことはいいが、内容もともなってでないといけない」とDF西嶋。残りの1戦1戦がチーム成長への糧となる。【永野高輔】