天皇杯3回戦(NDスタ)で明大を迎え撃つJ1山形小林伸二監督(49)は30日、ゴール前に人数を割く明大DF陣を前に引き出すべく、ミドルシュート指令を出した。

 指揮官は「ゴール前で細かくつないでボールを奪われると、相手のペースになる。『打てるなら打て』と選手に言った」と、この日のミーティングの内容を明かした。

 今季ほとんど放たなかったミドルシュートを天皇杯で意識させ、リーグ戦残り4試合で無意識に打てるようにするのが狙いだ。「(24日の)柏戦は少しミドルも打ったが、打てるのに打たない試合が多い」と、指揮官。得点すれば言うことなし、こぼれてもビッグチャンスになることを実体験させる考えだ。

 今週の調整期間中、遠めからのシュート練習をメニューに加えた。MF広瀬をはじめ「リーグ戦の球より(天皇杯で使用する球の方が)ぶれる」と話す選手が多く、遊び感覚で無回転シュートに挑戦する選手もちらほら。指揮官は「ボールの蹴り方でも受け方でも、試合で『うまくできた!』と思うと、自分のものになる」と説明した。

 天皇杯の勝利だけでなく、無回転シュートの使い手が現れれば―。カップ戦の上位進出と、早期のJ1残留決定が見えてくる。【山崎安昭】