J2仙台FW平瀬智行(32)が17日、骨折していた左手首(舟状骨)の手術に踏み切り、29日の天皇杯準決勝(対G大阪、国立)を欠場することが明らかになった。7月22日の湘南戦で負傷し8月下旬に受けた精密検査で判明。その時点で手術すれば、昇格争いの佳境に離脱を余儀なくされるため、シーズン終了後に先送りしていた。残り試合はギプスで固定して戦った。

 この日、仙台市内の病院で受けた手術は、骨折した部位を接合するもの。リハビリも含めて全治3カ月と診断された。天皇杯の勝ち上がりに備え、手術日はこの日と来年1月7日を予約していたが、自らの決勝ゴールで12日の天皇杯準々決勝(対川崎F)を突破。来年1月の実施に気持ちは傾いたが、同3月6日の開幕戦に間に合わないため、苦渋の決断を下した。

 平瀬は12日の川崎F戦後「次の準決勝も出てチームの勝利に貢献したい」と意欲を語った一方、来季を見据えて「天皇杯が終わるのを待ってると、来年いきなり迷惑をかけることになる。(手倉森)監督と相談して決めたい」と慎重な姿勢を示していた。

 鹿島時代の00年に天皇杯を制し、今季リーグ戦でFW最多40試合に出場した大黒柱を欠く29日。前回覇者G大阪と「元日切符」をかけて戦う大一番で、仙台の底力が問われる。【木下淳】