コンサドーレ札幌に加入する元日本代表FW中山雅史(42)が9日、静岡・浜松市内でトークショーを行い、札幌入りまでの裏話を大暴露した。獲得オファーを出していたJ2熊本に所属する元日本代表MF藤田俊哉(38)から、再三にわたり電話攻勢を受け、誘われていたことを明かした。オフ中には石崎信弘監督(51)へひそかに猛アピールをしていたことも判明。随所に「札幌愛」がにじみ出ていた。

 ゴン中山はスッポンマークだってモノともしない。中山は元日本代表MF名波浩氏の引退試合を翌日に控え、参加したトークショーで札幌入り決断までの裏話を披露した。数クラブから獲得オファーを受けたが、札幌と最後まで迷ったのは熊本。その熊本に所属し、この日出席した藤田から連日、“ストーキング”を受けていたことを明かした。

 中山

 すごいマメに電話がくるんだもん。「僕と一緒にサッカーをした方が絶対楽しいよ」って言われて。それは分かっているんだけど…。

 熊本入りを想定し、マンション探しにも着手していた藤田に申し訳なさそうに話した。黄金時代を築いた磐田では、パスの出し手と受け手として、まさに相思相愛の間柄。関係者によると「俊哉とプレーすれば、パスが出てくるから」と、最後まで悩んでいたほどだ。それでも冷静に環境面などを考え札幌入りを決断。藤田も「もうふっ切れました」と、失恋の後遺症はなさそうだ。

 中山の頭の中は、もう札幌のことでいっぱいだ。年末に関東で、元日本代表DF井原ら元J戦士や知り合いを30人以上呼んで、フットサル大会を開催。見学に訪れた石崎監督を前に、1試合目からゴールを決めると「監督、見てた!?」と、両手を上げて猛アピールしたという。中山は「そこからすでにアピールが始まってました」と、ニヤリとぶっちゃけた。

 10日の名波引退試合に向け、この日の午前中も体を動かし調整するなど、1月中旬の札幌合流を前に急ピッチで仕上げている。紆余(うよ)曲折を経て決めた道に、迷いはない。「名波の引退試合ではありますけど、中山の旅立ちの試合でもありますので」と中山。地元静岡で最後の試合を、「札幌のゴン中山」の出発点にするつもりだ。【栗田成芳】