さあ「長居の奇跡」だ。C大阪のレビークルピ監督(57)が11日、4シーズンぶりの大阪ダービー(14日、長居)を前にG大阪西野朗監督(54)に挑戦状をたたきつけた。J1に復帰したばかり、リーグ戦はダービー7連敗中と条件はよくない。それでもレビークルピ監督は、96年アトランタ五輪で「マイアミの奇跡」を起こした西野監督を名将と認めながら「日本がブラジルに勝ったように、C大阪がビッグクラブに勝つ可能性もある」と自信を見せた。

 「奇跡」の指揮官に対し「奇跡」を起こす。C大阪にとって4季ぶりの「大阪ダービー」はホーム開幕戦でもある。リーグ7連敗中のG大阪戦。それでもレビークルピ監督は「経済的にも優れているG大阪は戦術的にも洗練されている。だが、我々にも勝てるチャンスはある」と言い切った。

 ブラジルのクルゼイロで指揮を執っていた96年、衝撃を受けた。アトランタ五輪の日本-ブラジルをテレビ観戦。リバウド、ロナウド、ロベルト・カルロスらを擁するブラジルが、西野監督率いる日本に0-1で敗れた。「西野監督は素晴らしい監督だ。対戦できて光栄。『マイアミの奇跡』と言われているが、決して奇跡ではない。スーパースターと呼ばれる選手たちを完全に抑え込んでいた。ブラジル国内で(当時のブラジル代表)ザガロ監督への批判は本当にすごかったよ」と当時を思い返した。

 敵将の手腕は認めるが、それが闘志に火をつけた。「C大阪がビッグクラブに勝つ可能性もある」と不敵に笑う。10日のACL1次リーグG大阪-河南建業(万博)もテレビでチェック。「どこかは言えないが、G大阪に弱点はある。何が起きるか分からないのがサッカーの面白さだ」と下克上に自信を見せる。

 開幕のアウェー大宮戦は0-3と完敗し、最下位スタートといきなりつまずいた。だがレビークルピ監督は「G大阪戦こそチームを立て直す最大のチャンスでもある」とモチベーションがあがるダービー戦を意識する。ブラジル代表監督候補にも挙がる指揮官は「金星」に照準を合わせている。【奈島宏樹】