磐田の日本代表DF駒野友一(29)が28日、右上腕部骨骨折を負傷後初めてクラブハウスを訪れ、本格的にリハビリを開始した。室内でバイクなどをこいで、約1時間にわたって体を動かした。手術後に全治3カ月の診断を受け、今季国内戦は絶望となったが、チームが12年ぶりの優勝を目指すナビスコ杯決勝(11月3日)に向けて「チームを応援する方にまわって力になりたい」とバックアップを約束した。

 同杯当日はリハビリのため韓国へ帰国中のDFパクを含め、メンバー外の選手全員が国立へ駆けつける予定。駒野は「チームも調子いいし、個人的にも体が動いていた。まだタイトルを取ったことがないので、その場所に立っていたかったけど…」と悔しそうに話した。23日の浦和戦では退院間もないにもかかわらず、試合直前に控室までいって選手たちに元気な姿を見せた。ピッチに立てなくてもチームの力になれることを考えていた。

 リハビリではまず骨を完全にくっつけ、恐怖心をぬぐい去ることから始まる。韓国代表MFイ・チョンヨンと接触した際、頭を強打。「ぶつかった瞬間に脳振とうになった。それでうまく着地できずにああいう結果になってしまった」と説明した。今も、腕がぶつかりそうになると反射的によけてしまうという。「怖いイメージを持ったままではいけない。しっかりとリハビリをやっていきたい」。何度も長期離脱を乗り越えてきた。駒野にはそのたびにたくましくなる強さがある。【栗田成芳】