<J1:神戸0-0鹿島>◇第31節◇20日◇ホームズ

 あまりにもあっさりと、終戦の時は訪れた。神戸戦後半ロスタイム。最後の猛攻もできないまま、中盤を行き来するルーズボールを追う中で、選手たちは終了の笛を聞いた。「勝てなかった以上、優勝の可能性は消えるものと思っていた」。ぼうぜんと空を見つめたDF岩政の言葉通り、リーグ戦3試合を残し、名古屋の優勝を許してしまった。

 1シーズン制で、最終節を待たずに優勝が決まるのは初めて。4連覇を目指しながら、大差でのV逸にオリベイラ監督(59)は「内田(現シャルケ)と李正秀(現アルサド)がシーズン中に移籍して、勝負強さが失われた」と肩を落とした。ここまでリーグ最少敗戦(5)最少失点(27)最多得失点差(20)ながら、11引き分けが大きく響いた。

 それでもオリベイラ監督は「日本で長く指導をしたい。勝てるチームをつくるため、再建をしないと」と話し、今季で切れるクラブとの契約更新に前向き。すでに強化部とは、来季に向け話し合いも重ねている。ブラジル国内で、決定力不足を補う新しいFW探しも始まっているという。

 来季はU-17日本代表の主力だった青森山田MF柴崎ら、有望な若手選手も入団する。来季でオリベイラ体制5年目。長期政権で、再びリーグ連覇を狙えるチームづくりを進める。