第90回全国高校サッカー選手権(12月30日開幕、東京・国立競技場ほか)の組み合わせ抽選会が21日、都内で行われ、2年ぶり出場の旭川実(北海道)は、同31日の1回戦で徳島市立(徳島)と対戦する。今年はプリンスリーグ北海道も制し、高校選手権前には、格上のプレミアリーグ・イーストへの参入決定戦(12月4・17日、東京)に挑む。プレミアリーグ入りで弾みを付け、選手権4強入りを目指す。

 2年ぶりの選手権勝利へ、旭川実は徳島市立との対戦が決まった。MF石山卓哉主将(3年)は「相手はよく分からないが、自分たちのプレーがどれだけできるか。スター選手はいないので全員で頑張る」。憧れの東京・国立競技場が舞台となる準決勝、4強進出を目標に掲げた。

 相手は今年のプリンスリーグ四国で現在6位。10年ぶり12度目出場の伝統校だが、旭川実は選手権初勝利を挙げた09年当時のベンチ入りメンバーが7人残る。主将の石山、FW下田速人、MF浅野健人(ともに3年)はピッチに立った。下田は1回戦の南風原(はえばる、沖縄)戦で2得点。経験を積んだ最上級生がけん引し、迎える集大成の大会だ。

 12月はダブル進撃がテーマ。石山主将は「二兎(にと)を追いたい」と胸を張った。今年、高校総体&高校選手権の道予選、プリンスリーグを制し道内3冠。12月4日にプリンスリーグより格上のプレミアリーグ参入を目指し、東北覇者の聖和学園(宮城)と対戦。勝てば同17日に東海代表のジュビロ磐田U-18と激突する。

 選手権前の2番勝負に、富居徹雄監督(39)は「レベルの高い参入決定戦できちっと結果を出し、選手権に臨みたい。今年は個々の能力も高い」と期待を口にした。石山主将は「真剣勝負、勝ちにいきます」とキッパリ。U-18のカテゴリーでは最高峰となるプレミアリーグ参入決定を、全国への弾みにする。

 「2年前は途中出場したけど、何もできませんでした」と話した石山主将は、今度は周囲の緊張を和らげるのも自分の役割と意識する。本来の守りからつなぐサッカーができれば「二兎」も近づいてくる。2つの夢舞台に、旭川実イレブンが挑戦する。【中尾猛】

 ◆全国高校サッカー選手権での北海道勢VS徳島県勢

 過去4度、相手はすべて徳島商で2勝2敗。初対戦は60年度の1回戦で室蘭清水丘が2-4で敗戦。63年度も1回戦で函館有斗(現函館大有斗)が0-3で敗れた。初勝利は78年度で、準優勝に輝いた室蘭大谷が準々決勝で1-0。最近では04年度の1回戦で北海が2-0で快勝し、現在2連勝中。