<皇后杯全日本女子選手権:日テレ2-0仙台>◇第8日◇準決勝◇28日◇東京・味の素フィールド西が丘

 仙台レディース(なでしこ)が、初の決勝進出を逃した。前半30分に先制を許し、後半34分にはGKとDFの連係ミスでオウンゴールを献上。日テレ(なでしこ)に敗れた。個々の技術で劣るなどの課題を見つけ、来季へとつなげる。

 MF川村優理(25)がピッチで号泣した。会場に駆けつけた多くの仙台レディースサポーターの前で完敗した。試合後のテレビインタビューでも、また泣いた。「みんなに恩返ししないといけないと思って。悔しい気持ちでいっぱい」。

 なでしこリーグ年間7位に終わった。悔しさを晴らすため、チームは優勝を目標にした。だが前半、先制される前の決定機を逃したのが響いた。千葉監督は「決めていれば違った展開になった」と悔しがった。日テレの堅い守備に、最後までゴールを割れなかった。

 リーグのレギュラーシリーズ7位で、上位リーグに進めずレベルの落ちる下位リーグに回った。ベストメンバーを組んだ強敵との対戦は、8月中旬から約4カ月半も遠ざかっていた。DF長船も「レベルの高いチームと戦えていなかった」と敗因の1つと捉えた。

 パス回しや個々の技術、ミスの少なさなど日テレから得たものは多かった。千葉監督は「個人のレベルアップをしないと、組織のレベルアップはない」と言った。初出場の2大会前は3回戦、前回は8強入り。今大会は4強まで進出し、1歩ずつ進歩している。来季の飛躍は、この敗戦からレベルの差を学んだ選手の奮起にかかっている。【久野朗】