広島MF高萩洋次郎(24)が明日24日のG大阪戦(広島ビ)に闘志を燃やしている。今月3日、福島・いわき市植田町を訪れた。昨年7月に結婚した理奈夫人(24)らと、東京から車で向かった。海まで数分の2階建ての実家は柱だけになった。故郷は「テレビで見たがれきの山」と化していた。両親は無事だったが、祖母の安否は依然不明。「覚悟はしている。ただ(祖母が)見つからないことには…」という。

 被災地で子供たち約50人とボールを蹴った。東京在住の義母が用意してくれた段ボール10箱分のお菓子を、避難所に届けた。「励ますつもりが励まされた。みんな僕なんかより大変なのに」。昨年はナビスコ杯ニューヒーロー賞に選出された天才肌の攻撃的MFは「ゴールを決めれば注目される。報道されることで地元を勇気づけられれば」。サッカーをできる幸せと、プロ選手の影響力を再認識した高萩が、J再開に臨む。