強力タッグで被災地に力を!

 仙台のMF関口訓充(25)が、プロ野球の楽天嶋基宏捕手(26)と共闘を宣言した。今日29日に両球団が同時にホーム開幕戦を迎える。28日、楽天の本拠地クリネックススタジアム宮城(Kスタ宮城)に隣接する仙台市陸上競技場で、仙台は最終調整を行った。関口は嶋とメールで「お互い負けられない」と誓い合ったことを明かした。宮城県が「震災復興キックオフデー」と位置付ける大事な一戦で浦和を迎え撃つ。東日本大震災以来、被災地で初めて行われるプロスポーツに注目が集まる。

 3月11日の震災直後には考えられなかった日が、ついにやってきた。被災地仙台でのホーム開幕戦。仙台はユアテックスタジアム仙台で午後2時キックオフ。楽天はKスタ宮城で同1時プレーボールする。仙台市民だけでなく、被災した東北全土のファンが万感の思いで迎える日。

 その思いに「共闘」で応えようと関口が立ち上がる。09年から親交がある楽天嶋と震災後も連絡を取り続けている。ホーム開幕戦を前にメールで「29日、お互い負けられないね」。さらに話は盛り上がった。

 嶋

 点決めたらヒーローになれるね。

 関口

 (今度は)ランニングホームランお願いします。

 嶋

 三塁回ったあたりで肉離れ起こしちゃうよ。

 プロ野球が開幕した12日、嶋は劇的な決勝3ランを放った。Jリーグが再開した23日の前には嶋から「試合チェックしてるから」と連絡があり、仙台は川崎Fに2-1と劇的逆転勝利を飾った。

 関口は食事とストレスから急性胃腸炎を患い26日の練習を欠席。しかし、何とかホーム開幕戦に間に合わせようと驚異の回復を見せた。この日はスタメン組に入り最終調整。「4-3-3」の3トップ左で連係を確認した。「下痢の回数も減って体調は良くなっている。ピッチに上がれば忘れて頑張る」。手倉森監督も「スタメンで行く準備をしてくれ」と話した。

 被災地チームという重圧はあるが関口は負けない。「昨年までは自分のため、周りに評価されるようにやっていた。今年は避難所で出会った人たちと戦っているという気持ち。宮城だけでなく、岩手、福島にもサポーターがいる。その人たちのために頑張る」。今日、復興へのホイッスルが鳴り響く。【三須一紀】