得点力不足の鬱憤(うっぷん)を「みちのくダービー」(22日=NDスタ)で晴らす。山形は18日、仙台戦に向けてシュート中心の練習を行った。ここまで6試合中4試合が無得点。だが絶好の舞台で「ダービー男」FW長谷川悠(23)を軸に、仙台ゴールを脅かす。

 ダービーに強いエースが、必ずファインゴールを見せてくれる。水曜恒例のシュート練習で長谷川は右から、左から強烈なシュートを連発。接触プレーで右足を痛めながらも、最後まで足を止めなかった。「ちょっとぶつけちゃって。でもまあ、大丈夫です」と試合への影響はなさそうだ。

 福岡から移籍してきた08年、3度のダービーで2得点を挙げた。長谷川が山形に来てからのダービーは、チームも5試合(3勝2敗)で9得点と大爆発している。最近、「点数がなかなか入らない…」と嘆く小林監督にとってもうれしいデータだ。

 山形は187センチの長谷川を使ったポストプレーが生命線。うまくボールをキープし、振り向けば仙台の守護神・林が待ち構える。長谷川は対戦した印象を「ダイナミックで迫力があって、威圧感がある」と評価。J2時代の“お得意さま”へ向け、大胆な発言は避けたが、自分のゴールが勝敗に直結することは承知している。

 6戦負けなしで3位につける仙台といえども、最近2戦は終了間際に失点。スキは十分にある。ロングボールを長谷川が落とし、セカンドボールをMF秋葉、MF宮沢らダービーでゴールを挙げた実績のある選手が奪う。そして再び中央で待つエースへ。攻撃の中心は長谷川に違いない。「一生懸命やって、良い試合をするだけです」。多くは語らず、虎視眈々(たんたん)とゴールだけを狙う。J1でのダービーはいまだ無得点。そろそろ若きストライカーが牙をむく。【湯浅知彦】