<J1:名古屋2-1磐田>◇第20節◇7日◇瑞穂陸

 磐田FW金園英学(22)がアウェー名古屋戦の前半19分、今季8得点目を決めてクラブ新人最多記録を樹立した。平塚中田英寿らに並ぶリーグ4位の記録的ゴールで先制したが、同28分には追い付かれ後半28分には名古屋FW永井謙佑(22)にリーグ戦初ゴールを許し逆転負けした。ここ4戦白星のない苦しい状況となった。

 2戦ぶりに復帰した金園が負の連鎖を断ち切った。前節まで4試合連続で相手に先制点を奪われる展開。この日も立ち上がりは相手にボールを支配されたが、耐えて好機を待った。すると、前半19分。ゴール前でパスを受けた金園が相手DFを背負いながらワントラップでゴール前に進入し、そのまま左足でネットを揺らした。新人離れしたスーパーゴールで今季8得点目をマーク。ルーキーイヤーでは94年に入団したMF藤田の7ゴールを抜きクラブ新記録を樹立した。Jリーグ全体でも、4位に並ぶ記録だ。

 この日はエース前田が左もも裏の肉離れで欠場。金園は「いつも前田さんに頼っていた。この試合は自分が進化するチャンス」と位置づけて臨んだ。負傷した左足首の患部はまだ完治していない。痛みもあったが、気持ちを前面に出したゴールを奪い、復帰戦でいきなり大仕事をやってのけた。

 後半開始からジウシーニョに代えて、FW荒田を投入。途中で負傷交代したが、攻撃的MFの菅沼が出場し、勝ち越しを狙った。だが、同28分、相手の俊足FW永井に追加点を奪われ、逆転負けを喫した。

 3日にはスルガ銀行チャンピオンシップを制し、柳下正明監督(51)は「選手は手応えと自信を得たと思う。この流れをリーグにつなげたい」と話していたが、タイトル獲得の勢いを反映できなかった。04年以来勝利がない敵地でまたしても敗戦。リーグ13戦負けなしで勢いに乗る難敵に力負けし、リーグ4戦勝ちなしとなった。【神谷亮磨】