奈良ちゃん、次も先発じゃ!

 J2札幌は28日、札幌・宮の沢で紅白戦を行った。前節26日の徳島戦で完封デビューした高校生DF奈良竜樹(18)は主力組センターバックでプレーした。この日は在学中の札幌国際情報高の授業があったが、同高と調整した結果、午前練習への参加が可能になった。石崎監督は明日30日の熊本戦(札幌厚別)での2試合連続起用を示唆。ホーム初の“カテナラチオ”が2戦連続完封に導く。

 鳴門での鉄壁プレーは本物だった。奈良はこの日の紅白戦で、MF荒野とのパス交換からゴール前まで60メートル駆け上がり攻撃にも参加。DFラインでボールを奪っては、前線に正確なロングパスを入れるなど攻守でアピールを繰り返した。

 石崎監督の期待も日増しに高まっている。主力組は複数選手を入れ替え8パターンをテスト。出場停止明けの岩沼をボランチ、ボランチだった河合をDFに下げる手もあるが、センターバックの山下、奈良コンビは変えなかった。熊本戦へも「見りゃあ分かるじゃろ。奈良ちゃんはいいよ」と連続での先発を示唆。奈良も「次もチャンスをもらえるなら自分の良さを出して勝利に貢献したい」と意気込んだ。

 “奈良シフト”も組まれた。U-18代表で離脱中のDF櫛引は11月11日に再合流予定。12日大分戦(札幌厚別)出場は厳しく、それまで代役奈良が授業と練習を掛け持ちできるよう、札幌国際情報高と調整した。月、火曜は授業専念、本格的な戦術練習が加わる水~金曜は午前練習後、授業に出席する形で落ち着いた。

 前日27日は徳島から帰道後、宮の沢で練習。この日も午前練習後、自転車で高校に通うハードスケジュールだったが、モチベーションは極めて高い。1学年上の櫛引の存在も大きい。「櫛引さんが1年目から主力でやっている。僕も頑張って力になりたい」。同世代同ポジションの選手の活躍は相乗効果となっている。石崎監督も「櫛引も奈良もライバルがいることはいいことだね」と話した。

 ミーティングでは石崎監督が直々に奈良のプレーをピックアップし修正点を伝えた。「マークが山下とかぶる部分もあった。ビルドアップとかも含めて課題はまだまだあるよ」。厳しい指摘は期待の裏返し。リーグ戦ホーム初登場となる熊本戦は、進化した奈良ちゃんがゴールに鍵をかける。【永野高輔】