東北人監督同士として負けられない戦いが、ここにはある。仙台が今日24日、ホームで大宮を迎え撃つ。相手を率いるのは、宮城県出身でかつてブランメル仙台でもプレーした鈴木淳監督(50)。手倉森誠監督(44)はこの一戦を“みちのくダービー”と位置づけ、必勝を誓った。3連勝スタートで開幕からの5試合「因縁ファイブ」の勝ち越しを決め、リーグ首位の座は譲らない。

 仙台~大宮間は東北新幹線「はやて」で1時間ちょっと。東北新幹線ダービー…。いや、鈴木“淳”監督だから、“準”みちのくダービーといったところか。手倉森監督の意気込みは相当だ。「山形がJ1にいない中で、淳さんとの戦いがみちのくダービーだと思っている。今年は東北人が熱くなる年でもあるしね。何より、去年ホームで初めて負けた悔しさは忘れていない。その借りを返す」。同じ東北出身で、現役時代には対戦経験もある。昨年7月、ユアスタでのシーズン初黒星を喫したリベンジへの思いも強い。

 敵将のかつての教え子たちも気合十分。山形監督時代に2年間プレーしたDF内山は「信念を持ってぶれない人。会うのが楽しみ」と笑う。MF松下とFW中原は新潟監督時代に薫陶を受けた。特に松下にとっては「ずっと使ってもらって、すごくお世話になった。今の僕があるのは淳さんのおかげ」というほどの恩人。中原も期限付き移籍した06年を「あの頃は僕も若くて、いろいろ教えてもらった。いい1年間を過ごさせてもらった」と振り返る。対戦前には欠かさずあいさつに行くという3人。スタメンの可能性は低いものの、目の前で成長を見せつけるチャンスをうかがう。

 手倉森監督の古巣鹿島との開幕戦を皮切りに昨季のレギュラーDF■が移籍した磐田戦まで続く開幕5試合。昨季1分け1敗と苦戦した大宮に勝てば、一気にこの「因縁ファイブ」(同監督)勝ち越しが決まる。開幕前、指揮官の目標は5戦全勝、最低でも3勝2分けだった。負けられない理由だらけのダービーマッチ。プライドをかけて、勝ち点3を奪いにいく。【亀山泰宏】※■は十の下に日を2つ縦に並べ、十の縦棒が1つ目の日を貫く