静岡ダービー目前の磐田は11日、午前、午後の2部練習を行った。悪天候の中でも通常通りのメニューを消化。チーム始動から続けているハードな練習の成果もあり、リーグ戦5戦、ナビスコ杯2戦負けなし。宿敵を目前にしてもスタイルに変わりなかった。

 練習はウソをつかない!!

 いつも通りの光景だった。週初め恒例の2部練習となったこの日は、朝10時から4対4のシュートゲームやハーフコートゲームなど、約2時間みっちり汗を流した。雨脚が強くなった午後も決して手は抜かない。パス回しの後はゴール前でのシュート練習を敢行。照明灯をつけて、約1時間入念に確認作業を行った。森下仁志監督(39)が大声で選手らを叱咤(しった)する場面もあり、清水との負けられない一戦に向けて緊張感を高めていった。

 今季はリーグ戦で3勝2分け。ナビスコ杯の2勝を含めると公式戦7戦負けなし。1月のチーム始動から継続している過酷なトレーニングは結果として表れている。公式戦で5勝した試合は全て1点差勝利。試合終了まで走りきる体力は自然と身に付いてきた。首位攻防戦となった仙台戦後、森下監督は「毎日皆さんに見ていただきたいくらいのトレーニングをしている。(現状の成績は)選手が一生懸命、真摯(しんし)にやっている結果だと思う」。

 選手の意識も変わってきた。昨季までは練習後に個人練習を行っていたが、今季は全体練習で全てのメニューは終了。決められた時間内でいかに自分をアピールするかが重要となり、一瞬も気が抜けない環境になっている。連日、選手は夜7時過ぎまで体のケアを入念に行い、試合に向けた準備も怠らない。ケガをしてチームを離れれば、すぐにポジションを奪われる危機感を覚えながらプレーしているからだ。

 次節清水との一戦も特別なことをするわけではない。MF松浦拓弥(23)は「これだけ練習をしっかりやっていれば最後まで走れる。この前よりもいい試合ができるようにどんどん仕掛けたい」。エース前田遼一(30)も「今の順位は気にしない。勝ちたい気持ちだけです」と言い切った。ただ勝つだけではなく、勇敢に攻めて圧倒する。そのために日々の練習に全力で取り組んでいる。【神谷亮磨】