「山形飛行隊」が相手ゴールに襲いかかる。J2山形奥野僚右監督(43)が12日の全体練習後、主に若手の14選手へ声をかけ、居残りメニューを課した。シュート練習を黙々とこなし最後に行ったのが、ゴールした者から抜けられるサドンデスのヘディング対決。左右から上がるクロスをゴールするだけ。額と額のぶつかり合いに14人が挑んだ。

 クロサーは指揮官と手倉森ヘッドコーチが担当。両者とも正確なボールを中央へ送り、いまだ衰えぬ技術を披露した。期待に応えるべく、若武者たちは次々に跳び上がり、強烈なヘディングを打ち込む。だがなかなか入らない。残り5人まで抜けられなかったMF広瀬は「結構ムズイです。入んないときは全然入んない」と首をかしげていた。

 攻撃的なサッカーを展開する「奥野山形」。今季は7試合で10得点を挙げている。だが頭で押し込んだゴールは「0」。CKがターゲットとうまく合わない場面も多かった。今回は「攻めのバリエーション強化」(奥野監督)という意図も含め、“突貫工事”を敢行。身長166センチながら早々にゴールを決めたMF比嘉は「タイミングとか感覚とか、うまくなっていると感じる。そのうちヘディングで点が入ると思う。オレじゃないけど(笑い)」と予言。制空権を奪い、上位へ舞い上がる。【湯浅知彦】