「12・3」再現だ!

 札幌は今日12日、ホーム札幌ドームで東京と対戦する。昨季チーム得点王のFW内村圭宏(27)は4戦連続メンバー入りが濃厚だ。昨年12月3日、同ドームでの最終東京戦で2ゴールを挙げ、J1昇格に大きく貢献した。腰痛の影響でいまだ無得点も、初得点を挙げるには絶好の相手。ホームで得点した試合は5連勝中の本拠地男が、J1で10年ぶりホーム連勝を呼び込む。

 エース内村が、歓喜の瞬間を再現する。札幌・宮の沢での11日の直前調整は、全体メニュー後に控え選手に交じり、居残りで5対5の練習にも加わった。「去年と同じ場所だし、イメージはいい。再現できれば」。開幕から出場6戦428分無得点と苦しんだ。たまった鬱憤(うっぷん)は、験のいい東京戦で一気に爆発させる。

 持病の腰痛で4月14日名古屋戦、同21日川崎F戦を欠場したが、状態は上向いている。最近3試合は連続で途中出場し、チャンスもつくった。「腰の状態も良くなっている。もう少し。早く結果を出したい」。休みはドライブや散歩などで気分転換するアウトドア派も、7日のオフは東京戦に備えて遠出せず、自宅での療養に時間をかけた。今季1号へ、メンテナンスも万全だ。

 同期FWの活躍が刺激になっている。3日のC大阪戦は、近藤の今季初ゴールで、初勝利を呼び込んだ。「(近藤)祐介が取ると、ほかの人以上に燃えてくる。でもオレはスロースターター。ここから追い上げて、まくりたい」。昨季はチームトップの12点、近藤が同2位の7点と、競り合いながらチームを昇格に導いた。ホームで得点した試合は内村が5勝1分け、近藤が6連勝。本拠地で決めれば負けない“ウコン”の力で順位を押し上げる。

 札幌ドームが大好きだ。昨年8月の千葉戦、12月の東京戦ともにマルチ弾と、1点決めれば勢いに乗る。「どのタイミングで出番が来るか分からないが、どこからでもいけるよう準備をしたい」。昨年も腰痛などで序盤9試合を欠場したが、復帰4戦目の7月9日愛媛戦で初ゴールを挙げた。今回は4月28日の大宮戦で復帰し、東京戦が復帰4戦目。エンジンは温まった。ここから量産態勢に入る。【永野高輔】