J2山形は8日にtonan前橋(群馬)と2回戦を戦う。2日の徳島戦で今季初ゴールを決めたMF広瀬智靖(22)が、2戦連発とスタメン奪取を目指す。

 絶好調の広瀬が2試合連続得点を狙う。主にシュート練習に時間を割いた5日のトレーニングでは強烈なシュートを連発。パスの出し手に回っても、柔らかいクロスでチャンスを演出した。直近5戦のうち4試合に途中出場。合計116分で1ゴール1アシストと結果を残してきた。「きっかけは横浜FC戦(8月12日=0●1)ですね。(後半25分から)うまく試合に入れて決定機もつくれた。今は自信を持ってやっています」。キリッとした顔に充実感が漂う。

 意識も高い。居残り練習を行い、パスを受けてから、ドリブルにつなげる動きを確認。トリッキーなボールさばきで相手を抜き去るイメージを膨らませていた。

 追い風も吹いている。天皇杯で使用する試合球は、リーグ戦とは性質が大きく異なる。革の縫い目の深さや表面の溝の量が違うため、空気抵抗の受け具合が変わる。今回使う公式球は予測不能な変化が生じやすい。GK清水が「無回転でミドルシュートを打たれると厄介。不思議な動きをする」と首をかしげれば、MF秋葉も「今日はボールに全くフィットしなかった」と苦笑い。誰もが“異質球”に悪戦苦闘する中、広瀬は「こっちの方がいい。インサイドパスは力を入れなくても蹴れる」と歓迎。「それよりコンスタントに結果を出さないと」。天皇杯をステップに飛躍の秋を迎える。【湯浅知彦】