「ディズニー流」で集客アップだ。J2山形の中井川茂敏ゼネラルマネジャー(GM=54)らスタッフ約20人が10日、山形市内で行われた講演会を聴講。元オリエンタルランド社員の福島文二郎氏(50)が語る「ディズニーランドから考えるリピーターを生みだす人材とは?」というテーマに耳を傾けた。

 東京ディズニーランド(TDL)は2回以上利用した人が98%にも及ぶテーマパーク。数ある集客戦略のうち、中井川GMが「すぐにでも始められる」と目を付けたのがアンケートだった。サポーター対象ではなく、来場者と直接関わる会場アルバイトらの声を聞くというもの。TDLでも実際に行われていて「顧客はどういう時に満足、または不満になるか」を現場レベルで調査、分析している。そのデータが職員教育に役立ち、より良質なサービス提供につながるという。

 東日本大震災直後、TDLスタッフは迅速かつ柔軟な対応で来場者と向き合ったことで知られるが、福島氏によれば「普段から顧客満足度について徹底指導されているから」。中井川GMは「自分のところまで上がってこない話もたくさんあるはず」と興味を示した。

 フロント陣は今季、1試合平均6500人の集客を見込んだが、リーグ戦では平均600人上回るペースになっている。佐々木運営担当によると「年間シートでリピート率を計ると、J1だったころからそれほど変わっていない」。中井川GMは「5年、10年先を見据えて手を打っていきたい」と長期的な課題ととらえる。来場者数はチームの強化費にも影響する。今後はクラブの正会員である企業の経営陣からマーケティングのノウハウを学ぶことも視野に入れ、チームを強くしていく。【湯浅知彦】