ゴンが札幌ドームに帰ってくる!

 札幌のJ1最年長FW中山雅史(45)が今日24日、ホーム最終となる札幌ドームでの横浜戦でベンチ入りすることが濃厚となった。23日の札幌・宮の沢の練習はフルメニューをこなし、負傷していた両膝の状態も安定。戦列復帰が可能となった。メンバー入りは昨年4月23日のJ2湘南戦以来581日ぶり。J1最年長の45歳2カ月1日での出場、4年ぶりのゴンゴールを狙う。

 ついに来た。ゴンがピッチに戻ってくる。この日の直前調整は雪の中でのトレーニングとなったが時折、甲高い声で雄たけびを上げ、チームを鼓舞した。「雪でシーンとなっている感じもしたからね。声を出すことで雰囲気も変わっていくからね」。求められる役割はピッチ上だけではない。4月23日のJ2湘南戦以来のベンチ入りに向け、まずは魂にスイッチを入れた。

 積雪のため全体練習は45分で終わってしまったが、エンジンは全開だ。チームメニュー消化後はクラブハウス内で自転車型トレーニング器具を約1時間こぎ、両膝を温めた。「これをやると楽になるからね」。途中で雪がちらつく屋外に出て、一気に水を飲みほし、雪の中に吐き出した。全身から立ち上る湯気。両膝が全盛期の状態に戻ることはないが、今、できる最高の準備が整った。

 一昨年11月に両膝を手術。すべてはピッチに戻ってくるためだった。昨年4月にメンバー入りを果たすまで回復も、9月に再離脱。12月からは静岡・御殿場の専門のトレーナーを訪れ、ランニングフォーム改良からやり直した。「ここまで短くも長くも感じる。でも有効に使ってきたつもり。あとは結果に表れるでしょ。それが自分の動きに出てくるかも。そういうのが判断材料になる」。残された2試合は、自らの進退を懸けるつもりで挑んでいく。

 20日の完全合流から4日目。膝だけでなくゴン節も好調だ。練習時間が短かったこともあり「今日はあんまりアピールできなかったからね。クラブハウスの廊下で、ばしばしスライディングの練習でもしようかな!」と息巻いた。

 ピッチに立てば公式戦は10年9月5日の天皇杯2回戦グルージャ盛岡戦以来811日ぶり、J1では磐田時代の09年11月28日広島戦以来1092日ぶりとなる。「ゴールという期待に応えたい気持ちは強い。それもピッチに立てる立場になってからだけどね」。08年3月15日G大阪戦以来1715日ぶりのゴンゴールへ、45歳が全精力を注ぎ込む。【永野高輔】