<J1:湘南1-1清水>◇第3節◇16日◇BMWス

 清水は、湘南と引き分けに終わった。1点を追う後半18分、MF八反田康平(23)がゴール前のこぼれ球を押し込み同点とした。しかし、ロングボールばかり多用する攻撃は相手に退場者が出ても追加点を奪えず、今季初勝利はまたしても次節以降に持ち越しとなった。ふがいない結果に終わり、試合後にはサポーターから2試合連続でブーイングが飛んだ。

 昇格組の湘南に勝ちきれなかった清水イレブンに、前節横浜戦の大敗に続き、またしてもブーイングが飛んだ。アフシン・ゴトビ監督(49)は、試合後の会見で「0-5の大敗から、この日も先制点を許した。精神的に難しい状況を乗り越えたことは誇りに思う」と選手をねぎらったが、一部のサポーターからは罵声も飛んだ。

 ゴトビ監督は「前節大敗して、選手や戦い方を変えなければいけなかった。基本に戻った」と、システムをダブルボランチにし、メンバーも昨年からの選手を多く起用した。さらに、選手の配置も変更。190センチのFWバレー(31)を左FWに置き、171センチの湘南DF宇佐美とマッチアップさせた。ゴトビ監督は「バレーのところでミスマッチが生まれる。相手のDFラインも下げられるし、有効に使いたかった」と狙いを明かした。

 序盤からロングボールを多用した。しかし、この“湘南シフト”一辺倒の攻撃が目立ち、ゴールは後半18分にこぼれ球を押し込んだMF八反田のプロ初得点のみ。同38分に退場者を出した相手に、最後まで勝ち越し点は奪えなかった。

 何とかアウェーで最低限の勝ち点1を積み上げたが、ゴトビ監督は「我々のサッカー、本来のパフォーマンスからはほど遠い」。八反田も「まだFWと中盤の距離が離れている部分もあるし、セカンドボールへの意識も低い」と、課題を口に。右SBでフル出場したMF河井陽介(23)は「ロングボールばかりになってしまった。細かいパスをもっとつないで、サイドから切り込んだりしていかないと崩れない。勝ちきらなければいけない試合だった」と、厳しい表情で振り返った。勝ち点3が遠い。【前田和哉】