<J1:C大阪1-2大宮>◇第6節◇13日◇長居

 「情けない」…。C大阪のエースFW柿谷曜一朗(23)の今季4得点目が、空砲に終わった。大宮に今季ホーム公式戦で初黒星。開始29秒で先制を許すも、前半終了間際に一時は同点となるゴールを決めた。後半に大宮が退場者を出して数的優位になるも、勝ち越しを許しリーグ2連敗。4位から6位に後退した。

 悔しくて仕方がない。柿谷は取材エリアで、同じ言葉を何度も繰り返した。

 「情けないです。本当に情けない。うちの選手全員が、情けない」

 前半終了間際に見せた今季4ゴール目など、まるで忘れてしまったようだ。扇原からのロングボールを、ワントラップで相手DFを置き去りにして決めた。天才柿谷の技術を凝縮した1発。それも勝利には結びつかず「あの前にも決定機があった。それをしっかり決めていれば、逆転していたのに…。ホームでふがいなさすぎる」と自分を責めた。

 ナビスコ杯も含めれば10戦6発。うち4月は4戦3発と、エースとして継続して結果を残している。チームは一時は2位まで順位を上げ、首位も狙える位置につけながら2連敗で6位後退。結果を出してもチームが勝てなければ、意味がない。柿谷は冷静さまで失いそうになり、後半43分には大宮MF金沢とつかみ合いになる場面まであった。

 「イライラしてました。相手は1人少ないのに負けていて。それに思い切りふくらはぎを踏まれたから」

 首位横浜とは勝ち点8差に広がった。MF山口は「勝たないといけない試合だったと思う」。レビークルピ監督も「互角の試合。うちはフィニッシュの力が足りなかった」と指摘した。まだリーグは序盤戦。諦めるのは早すぎる。悔しさを発奮材料にして、這い上がる。【益子浩一】