<J2:山形0-1G大阪>◇第8節◇14日◇NDスタ

 J2山形はホームでG大阪に敗れ、2連敗となった。前半21分、ショートコーナーからG大阪MF遠藤のクロスをDF岩下に決められ失点。後半は猛反撃に出たが1点が遠く、2試合連続の完封負けで4勝4敗となった。前節の神戸戦に続き、強敵相手に後手を踏んだことで先制を許したのが響いた。

 悔やまれる立ち上がりだった。日本代表の遠藤、今野のダブルボランチを中心に自在にパスを回され、押し込まれる時間帯が続く。パスミスも多く、守備に奔走させられた。MFフランクは「足が止まってしまって、セカンドボールも拾えなかった」と唇をかんだ。前節の反省から「受け身にならないこと」を再確認して臨んだはずが、相手の高い技術の前に積極性を失ったことで先制を許した。

 経験の差も大きかった。百戦錬磨のG大阪に対し、山形はJ1で戦ったことのある選手は多くない。G大阪は得意のパス回しだけではなく、DFラインが高いと見るやロングボールも多用。GK常沢が「裏に走られるイメージはなかったので、あわててしまった」と言うように、完全に相手の術中にはまった。「何をしてくるかわからない」という怖さも前に出られない要因になり、前半はシュートわずか2本。ほとんど何もさせてもらえなかった。

 風上に立ち、相手の足が止まり始めた後半は主導権を握った。中盤の高い位置でボールを持った時にはチャンスを作る。だが、1点を追う立場での焦りからか大胆さを欠き、フリーでも判断が遅れて最後まで崩しきれない。またも先制点の重みを痛感させられた。

 2試合連続で強敵相手に0-1の敗戦。J2屈指の攻撃陣を最少失点に食い止めたように、完全な力負けではない。フランクとDF中村太は「前半から(後半のように)やれればよかった」と口をそろえた。上位争いに踏みとどまるためにも、もう同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。【鹿野雄太】