東京MF田辺草民(そうたん=23)が、スペイン2部リーグのサバデルに期限付き移籍する可能性があることが25日、分かった。クラブ関係者によると欧州の新シーズンが始まるこの夏から、冬までの半年間の予定で交渉。うまく運べば近日中にも発表される。

 発端は、サバデルとの業務提携だった。昨夏に日本人オーナーが就任したことから、現在クラブ間で話を進めており、契約内容の詳細を詰めている段階。並行してクラブ間の選手交流も模索していた。サバデル関係者が東京視察に訪れ、複数の若手選手がリストアップされる中で、将来性があり技術的にも高い田辺が選ばれた。今後はプレシーズンマッチを行う計画も練られている。

 サバデルは今季、ビジャレアルなど強豪クラブが所属する中、12位でシーズンを終えた。関係者は「2部だからと言って、まったく甘くない。レベルは高い。まずは試合に出られないと意味がないから、そういう選手を送り出したい」。将来の東京を担う選手としてスペインでの武者修行に期待を込めて送り出す。

 鹿島戦では後半20分から途中出場し、直後に失点に絡んだ。試合終了間際には再び交代を命じられ、ほろ苦いラストマッチに。それでも新天地で成長し、来季の戦力として戻ってくる。

 ◆田辺草民(たなべ・そうたん)1990年(平2)4月6日、東京・杉並区生まれ。小1でサッカーを始める。中学時代には当時、城福監督(現甲府監督)が率いるU-15日本代表候補選出。国学院久我山高から09年に東京入り。175センチ、68キロ。血液型A。