<J2:岐阜0-3札幌>◇第41節◇17日◇長良川

 プレーオフ圏がはっきりと見えてきた。コンサドーレ札幌が岐阜を3-0で下し、今季初の3連勝を飾った。前半3分にDF上原慎也(27)が先制ヘッド。同17分、後半13分にFW内村圭宏(29)が2点を挙げ、突き放した。順位は7位のままだが、6位との勝ち点差を1に縮めた。4位長崎から8位松本まで勝ち点3差に5チームがひしめく大混戦だが、24日の最終北九州戦に勝てば、PO圏入りする可能性が高まった。

 エース内村の復活弾で、札幌が一気にプレーオフ圏に近づいた。1-0の前半17分、MF砂川の左CKのこぼれ球を右足で押し込むと、後半13分には、DF上原の左クロスを、ドンぴしゃで頭に合わせ、とどめを刺した。「(上原)慎也が、いいボールを上げてくれたからね。セットプレーだけじゃだめ。流れから取れたことが良かった」。右ふくらはぎをつり、後半15分で交代したが、出場停止明けの一戦で、しっかり2得点を挙げ、勝利に導いた。

 負ければプレーオフ圏消滅の可能性もあった試合だが、3発快勝で、状況は一変した。札幌は24日の北九州戦に勝って勝ち点を66に伸ばすと、8位の松本が、大量得点差で勝利しない限り、6位以内に入る。財前監督は「選手全員が気合が入っていた。内村もいい仕事をしてくれた。とにかく次も勝って、まずプレーオフに進みたい」と、今季初の3連勝を喜んだ。

 内村は今季16点目となり、97年吉原、00年播戸の15点を抜き、札幌の歴代日本人選手の1シーズン最多得点となった。「ここで終わりじゃない。次も頑張らないとね」。出場停止だった10日の神戸戦後は、1-0勝利も、家でひっそり食事を取った。勝利の後は、すすきのでチームメートと食事をしながら喜びを分かち合うのが恒例だったが、今回だけは誘いを一切、断った。「おれがやって勝ったわけじゃないから」。じっくりため込んだエネルギーを、まずは2ゴールで示した。

 3日の千葉戦で痛めた左足首は、ボールを蹴っただけで激痛が走る。この日も痛み止めを飲んで臨んだが「もう痛いとかいってる場合じゃないから。次の試合もいくよ」と前を向いた。最終節の北九州戦は、11年9月17日以来の対戦。前回は2ゴールを挙げ、昇格への勢いづけた。自身最多の18得点までも、残り2発。“お得意さま”から、プレーオフ決定弾を奪い、J1へと、駆け上がる。【永野高輔】

 ▼PO圏争いの行方

 札幌は最終節の北九州戦の結果次第で5位から8位の可能性があるが、勝てばPO圏の6位以内が確実な状況だ。4位長崎(勝ち点66)と6位徳島(勝ち点64)が直接対決。札幌○で長崎○徳島●の場合、勝ち点66の札幌は勝ち点64の徳島を上回る。長崎●徳島○の場合は、勝ち点66で札幌と長崎が並ぶが、得失点差で札幌が上回る。長崎、徳島△の場合は、勝ち点66の札幌は勝ち点65の徳島を上回る。勝ち点で並ぶ札幌と松本は最終節でともに勝っても、得失点差マイナス1の松本が同プラス11の札幌を上回る可能性は極めて低く、札幌が有利といえる。