J2札幌がリーグ戦で勝った際、クラブ職員に勝利手当を支給することが20日、分かった。クラブ事務所も、1月から練習場と同敷地内の札幌宮の沢に移転するなど結束強化へ着々と準備中。新手当導入で、社員が常にチームの勝利を意識して業務にあたるムードをつくる。

 選手同様、明確な勝利への対価があれば社員の気持ちも高まる。1回につき1万円以下と額は少ないが、新手当導入に関してクラブ幹部は「こういう取り組みで、少しでも社員がモチベーション高く仕事にあたってくれたら」と話した。

 野々村芳和社長(41)が、昨年の就任直後に提案していたアイデアだった。当時は「アウェーの試合を見ていない社員がいると聞いた。信じられない。もっとチームのために働いているという意識を持たせたい」と話していた。昨年は就任直後で実現できなかったが、2年目の今季、社員全員がチームとともに戦う気持ちを、より高めていくための施策として予算を精査し、支給が可能になった。

 1月から、札幌ドーム内にあったクラブ事務所を、宮の沢の練習場敷地内に移転し、チームとフロントの距離が縮まった。さらに、今季は選手の勝利給も昨年から1・5倍に増額。16日にはサポーターの意見を反映させるために昨季発足した「クラブ力向上委員会」第2期委員の募集を開始。チーム、社員、サポーターの気持ちを1つに合わせ、J1昇格という目標に突き進んでいく。