前半戦2位ターンを決めた鳥栖の堅い守りが光る。シーズン半ばでクラブ記録の9完封勝利数をマーク。今季は首位の浦和が連続試合無失点記録を更新したが、鳥栖も負けてはいない。18チームによる1シーズン制となった05年以降の年間最多完封勝ちは、優勝した06年の浦和と昨年の広島が達成した13勝。今季の鳥栖はJ1記録を上回る年間18完封ペースだ。

 その堅守を支えているのが右サイドバックのDF丹羽竜平(28)だ。Jリーグ公認データ「スタッツスタジアム」によれば、今季のインターセプト数は21回でJ1トップ。豊富な運動量と鋭い読みで相手のパスをカットし続ける。1対1の守備も安定しており、相手のクロスをブロックした回数は17回でリーグ2位になる。ボールを奪ってからの攻め上がりも魅力的で、今季はすでに3アシスト。円熟味を増した28歳のDFが、快進撃の原動力になっている。

 首位浦和とは勝ち点2差だが、2位での折り返しは意外に吉兆。現行方式の05年以降では、首位ターンの3チームを上回る最多5チームが最終的に優勝を飾っている。今季鳥栖の得点は浦和の23点より多い25点。守りだけでなく攻め切る堅守速攻スタイルで、初優勝を狙える勢いだ。【石川秀和】