ホーム2戦連続のメモリアル弾でプレーオフ(PO)進出への望みをつなぐ。J2札幌FW都倉賢(28)が8日、今日9日のホーム讃岐戦での、札幌ドーム4試合連続得点を掲げた。負ければPO圏入りが消滅する可能性もある大事な一戦。前回、同ドームで行われた湘南戦でクラブのリーグ1000号をマークしたチーム得点王が、残り2点に迫った道内Jリーグ500号をたたき込み、勝利に導く。

 熱血都倉の“全勝神話”で、崖っぷちからの脱出を目指す。「失敗を恐れず、全員が90分通してやりきること。そうすれば結果はついてくる」。今季得点した試合は9戦全勝の白星配達人が、2戦ぶりの一撃で勝ち点3奪取へと導く。

 讃岐戦で得点を決めれば、札幌ドーム4試合連続得点になる。01年のJ1得点王ウィルも、昨季、クラブのシーズン日本人最多得点を更新した内村も3試合が最高。W杯ブラジル代表FWフッキが06年に達成して以来8年ぶりとなる偉業に挑む。「ドームはサポーターの後押しがあって、とてもやりやすい。先制点を決めれば有利に働く」。まずは降格圏21位の相手から先手を奪い、主導権を握る。

 そして、その先を見据える。札幌が残り3戦でPO圏に食い込むには勝ち続けるだけでは厳しい。現在の得失点差は4。6位大分はマイナス2も、5位千葉が10、7位山形が11。最後にライバルと勝ち点で並んだときのことを想定し、得失点差を上げることも不可欠だ。「チームとしていい攻撃をして、1点でも多く点を取れるように」。今季ドームで得点した5試合中2試合がマルチ得点と固めてきた。今回も一気に2点を稼ぎ出し、湘南戦でのリーグ1000号に続き、今度は道内J500号に乗せる。

 この日、札幌宮の沢での前日練習中に腰を痛めた。それでも、すぐにチームに戻ってプレーを続けた。9月28日の松本戦から6戦連続フル出場と、自己最長だった09年の5戦連続を超えた。リーグ終盤の連続出場は当然、ケガも疲れも出るが、今が踏ん張りどきだ。負ければ終戦の可能性もある。「いかに追い込まれようとも、うちは戦うことをベースにやってきた。今までやってきたことをブレずにやっていくだけ」。ひたむきに走り、泥臭く決める都倉流で、最後の粘りにつなげる。【永野高輔】

 ◆第40節で札幌のPO進出が消滅するケース

 讃岐戦に敗れた場合のみ、可能性がある。この場合、札幌は残り2試合での最大勝ち点が62。5位千葉が引き分け以上(勝ち点63以上)、6位大分が勝つ(同63)と、勝ち点63以上のチームが6チームに達し、札幌が抜くことができなくなり、PO圏入りの可能性がなくなる。千葉負けか、大分が引き分け以下の場合は、第41節以降に持ち越しとなる。

 ◆札幌ドーム4試合連続得点

 過去、FW清野、フッキの2選手しか達成していない。清野は05年11月1日の水戸戦(1-1)から12月3日の草津戦(2-1)でマーク。フッキは06年6月10日の山形戦(2-2)から10月21日の神戸戦(1-4)で記録している。都倉が決めれば、8年ぶり3人目の達成となる。