<J1:清水2-2名古屋>◇第32節◇22日◇アイスタ

 攻め続けたが勝ちきれなかった…。清水はホームで名古屋と引き分け、今季2度目の連勝を逃した。1点を追う後半12分、相手の退場をきっかけに主導権を握る。同15分にはFW大前元紀(24)のクロスにFWノバコビッチ(35)が実質的に頭で合わせ“ゴール”で再び同点。その後も猛攻を仕掛けるも、最後まで勝ち越し点は遠かった。それでも、常に先行される展開の中で獲得した勝ち点1を残留につなげていく。

 清水サポーターの大声援がため息に変わった。最後まで勝ち越し点が奪えないまま、試合終了の笛が鳴った。あいさつに向かう選手の足取りも、敗戦のように重かった。大榎克己監督(49)は「今日は、引き分けではダメだと選手に伝えて試合に入った。勝ち点3を取れなかったことが残念」。FW大前も「引き分けで終わっちゃいけない試合だった」と、失った“勝ち点2”を悔やんだ。

 1点を追う後半12分、名古屋のDF本多が2枚目の警告を受けて退場。数的優位に立つと、直後の同15分。FW大前のクロスに、ノバコビッチが実質的に頭で合わせて同点。一気に主導権を握った。

 その後も同33分にノバコビッチの折り返しに、FW高木俊幸(23)が飛び込む。同38分には切り札のFW村田和哉(26)も投入したが、歓喜の瞬間が訪れることはなかった。FW高木俊は「チャンスをもらったのに決めきれなかった。申し訳ない…」と、肩を落とした。

 それでも、常に先行される展開を2度も追いつき、ホームで最低限の勝ち点1は獲得した。次節アウェー柏戦は、引き分け以上で残留が決まる可能性も出てきた。指揮官は「勝ちきれなかったが、選手が最後まで戦ってくれたことを評価したい。この勝ち点1が次につながる」。FW大前も「今日積み上げた勝ち点を次につなげるためにも、しっかり準備していく」と、顔を上げた。残りは2試合-。見え始めた残留を全力でたぐり寄せる。【前田和哉】