ハンサムな上にナイスガイで知られる元イングランド代表MFデービッド・ベッカム氏(40)が、またまたいい人ぶりを発揮した。

 英BBC(電子版)が、スポーツセクションではなく、ニュースセクションで報じた。

 BBCによると、自転車救急隊員(救急車よりも早く自転車でかけつけ、患者の応急処置をする隊員)のキャサリン・メイナードさんがロンドン中心部で、軽いケガを負った男性を治療していた。

 すると偶然にもベッカム氏が車で通りかかったという。同氏は愛車から降り、2人に近づくと「ハロー」とあいさつ。寒空の下、2人が救急車の到着を待っていることを知ると、そのままどこかへ消えたという。

 約10分後に戻ってきたベッカム氏は、メイナードさんのためのコーヒーと、ケガをした男性のための紅茶を手にしていた。

 メイナードさんは救急車の到着まで、とにかく男性を冷やさないようにしていたそうで、ベッカム氏の心づかいに感激したという。

 「顔を上げたらデービッド・ベッカムのような風貌の男性がこっちに歩いてきて『ハロー』って。それからどこかへ行ったの。私は患者に『あれってベッカムだと思うんだけど』って話して。すると10分後にコーヒーと紅茶を持って帰ってきた。本当に寒い日だったから、彼が温かい飲み物を渡してくれた時、信じられない気分だった」。

 ロンドン救急サービスはベッカム氏の行為について「彼は一生懸命働く救急隊員に敬意を表し、コーヒーをプレゼントすることで、隊員たちに『我々は人々に感謝されている』と感じさせてくれた」とたたえた。

 決して大げさなプレゼントではないが、相手の状況を思いやり、コーヒーと紅茶で2人の気持ちを温かくしたベッカム氏。そういった気の利いた行いができるというのも、現在も多くの人から愛されている理由の1つだろう。

 【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)