ブレーメンU-23でプレーをしているFWメルビン・ローレンツェンが、遠征に行く直前で、監督からチーム帯同を拒まれてしまった。

 大衆紙「ビルト」など複数ドイツメディアが報じたところによると、ローレンツェンは先月26日に行われたブンデスリーガ3部第11節のRWエアフルト戦のメンバーとして招集されたが、同選手は集合時間になんとも美味しそうな特大バゲットサンドイッチを持って現れたという。

 ドイツ北西部のブレーメンから同中部のエアフルトまでは、アウトバーン(高速道路)を使って約370km。チームバスでの移動は通常4時間ほどかかるため、本人の思惑としては、あくまでバゲットは長旅に耐えるための食糧だったようだ。しかし、ジャンクフードという選択が、アレクサンダー・ノウリ監督の目には「プロフェッショナルとしてあるまじき行動」と映ってしまい、その場でRWエアフルト戦の遠征メンバーから削除されることになった。

 9月20日のコラム「香川ドルト好調の影にトゥヘル新監督の徹底食事指導(http://cf-origin-bitisle-www.nikkansports.com/soccer/world/column/germany/news/1540885.html)」ではドルトムントの食事管理について記したが、このテーマは今やドイツで普遍的なものになりつつある。

 ブレーメンのトーマス・アイキン強化部長もビルト紙に対し「栄養面については、我々のところでも非常に重要なものだと考えられている」と話し、ノウリ監督の決断を完全に支持している。

 そんなローレンツェンだが、帯同を拒否された翌節には後半42分から出場を許され、今月6日に行われたザンクト・パウリU-23(4部リーグ)との練習試合では3得点を決め、チームの5-1勝利に大きく貢献している。

 もともと同選手は昨年10月に19歳でブンデスリーガデビューを果たし、それから2カ月後のハノーバー戦では同リーグ初得点も記録したブレーメン期待の新鋭。今回のバゲット事件が、ローレンツェンにとって良薬になることを願うばかりである。