2014年のブラジルW杯で4度目の王者に輝いたサッカー大国ドイツ。とはいえ、国民の全員がサッカーを愛しているというわけではないようだ。

 大衆紙「ビルト」によると、ライプツィヒから北へ60キロほどのところに拠点を置くアマチュアクラブ、TUSコッホシュテットが問題を抱えているという。

 同クラブの練習場からは、これまでボールが幾度となく柵を越え、隣家の敷地へ飛び込んでいた。かなり苦情も受けていたため、2009年に4メートルの柵を新設したが、高さが不十分だったようで、同様のことはそれ以降もたびたび起こっていたようだ。

 怒り心頭の隣人はついに「許可なく敷地内に立ち入ることを禁止」という立て札とともに防犯カメラまで設置。しかし彼がカメラをチェックしたところ、2011年に59回、2013年には111回、2014年には135回と、ボールが飛び込んでくる数は年々増加していったという。

 そしてとうとう隣家の住人は我慢の限界に達し、このたびクラブを相手に訴訟を起こしたが、なんとナウムブルク裁判所の出した判決は、「ボールが隣家の敷地に入るのは、1週間に1回まで。2回以上ボールが敷地に入った場合は25万ユーロ(約3050万円)の罰金、もしくは懲役6カ月に処する」という非常に厳しいものだった。

 TUSコッホシュテットはクラブ公式HPトップ画面に「25万ユーロものお金は私たちにはありません。刑務所にも行きたくありません。でも私たちはこれからもサッカーをしたい子どもや大人に、その場所を提供していきたいのです。新しい柵を作るためには、みなさんの助けが必要です」とのコメントと銀行口座番号を記し、人々からの寄付を募っている。

 ドイツ最大の発行部数を誇るビルト紙に取り上げられたことで、その注目は大いに集まった。果たして彼らのもとに、新たな超大型の柵を建設するだけの資金は寄せられるのだろうか。