ワールドカップ(W杯)の1次リーグ初戦で日本代表と対戦するコロンビア代表のエース、MFハメス・ロドリゲスを悩ます出来事が起こった。

 14日の公開練習を休んだことにより日本戦を欠場するとの噂も流れたハメスだが、ドイツ通信社の報道によれば、翌15日のチーム練習には無事に合流。しかし、大事な初戦に向けて集中を高めたいこの状況で、今度は母国の政治ショーに巻き込まれてしまった。

 コロンビアでは先月末、次期大統領を決める投票結果が発表されたものの、いずれの候補者も過半数に届かなかった。このため得票率2位の左派グスタボ・ペトロ氏と、同氏を約14%上回った右派イバン・ドゥケ氏による決選投票が17日に行われる。

 すると、1度目の投票でドゥケ氏に水をあけられたペトロ氏を救うべく、ペトロ氏の支持者たちは決戦投票用に作成した広告で、なんと国民的ヒーローの写真を無断使用。大衆紙ビルトの翻訳によれば、ハメスの左右には「この国に貧困問題があることを、私は知っている。なぜなら私も貧困に苦しんだからだ。この国が変わることを願っている。同じことはもうたくさんだ。コロンビアは平和に値する国だ」と謳い文句が書かれており、ツイッター上にも出回っているこの写真を確認すると、プラカードの右下にはしっかりと「James Rodriguez」の文字も。まるでハメスがそう主張しているかのような仕上がりだ。

 ハメス自身は沈黙を守っているものの、母ピラル・ルビオさんと妹フアナさんはこれに激怒し、広告の内容がすべてフェイクであることをインスタグラムで即座に発表。また彼のマネージャーを務めるダビド・ペレス氏は「抗議するのはやめた。我々にとって今最も大事なのはW杯。この写真に対する怒りは脇に置いておく」と、ひとまず静観する予定であることをビルト紙に語っている。